秋風

 秋風が吹き始めるころ、夜の帳が駆け足を始める。物悲しくも切ない季節。分からない、いや分かりそうで分からない、分かりつくすにはかなりの時間を要しそうだが苦にならない。そんなものが在る。ということが幸せ、ではないか。知ろうと必死に努力するのは美しいが、知ったかぶりは止めとこう。けれど、ちょっとだけ掃除をすれば、ちょっとだけ幸せになれる、と言う誰かの言葉は本当っぽい気がする。
 秋風のせいか、思いが定まらない。だけど、そんな季節が一番すきなのだ。