町の匂い

 大阪へ、結婚した後輩を祝いに行ってきた。通天閣タワーに上る。なくなったはずの3丁目の夕日がここにあった。天王寺近辺で飲んだが、店店の賑わいはあっても、町全体の賑わいは恐ろしいほど感じなかった。子供のころは、大阪は怖い町という先入観を持っていた。しかし、ここ数年、人懐っこい町という風にイメージがシフトし、いよいよ切なく哀愁漂う町という感情を持ってしまった。町の匂いはそこに住む人、動物、車、鳥、風、土、オイル、香水・・・いろいろ混ざり合ってできている。冷え込んだ気温のせいか、町の匂いにぶるぶると震える。都会にいても、どこにいても孤独を感じるのが人のような気がした。どれだけ孤独を感じても、多様な匂いに包まれ、逃れることはできない。せいぜい、冗談を言って、タバコをふかすしかない。
 やっぱり荷物は二つかな〜?