何事もなかったように

 メロメロポッチのスタイルを一言であらわせば、「ざっくばらん」。京都の同じ名の店を聞いたとき、どきりとした。けれど、朝は、絵手紙教室として、ハイソ系奥様のサロンと化し、昼は、さぼりOLと芸術家の憩いの穴倉、夕暮れ時から夜にかけては、情熱系大学生の仲良しアカペラサークルの集い。夜も更ければ、この町一番のDeepなレコードショップが主催するDJイベントが淡々と催される・・・
 まるで何事もなかったように。僕はテレビを見ない。見たいとも思わない。新聞の映画欄は見ても、テレビ欄も見ない。でも、次々違う催しが行われる店の状況を見て、ふと、あれっ俺、なんかテレビ見とるみたい!?的な感覚に襲われた。現実なのに。ちょっとこのところ、いろいろ詰め込みすぎた。おかげで、大切な何かを忘れてしまっていた。ご迷惑をかけた皆様申し訳ございませんでした。誰もいなくなった店はほんのかすかな余韻を残すものの、まるで何事もなかったように、そこにある。まるで何事もなかったように。