大揺れな昨今

 書かねばならない大きな出来事が立て続けに起こる。書いてはならない大きな出来事も立て続けに起こる。海に入らずとも僕らはみな、サーファーだ。予想通りの波、予期せぬ大波を次々とやりすごさねばならない。こちらのペースなんぞお構いなしなのが並々ならぬ波たちだ。誰かに愛を与えるとき、誰かを必ず傷つける。そんな映画のせりふをふと思い出す夜。僕たちはみな愛に飢えている。誰かの愛を奪い合いながら人間関係の中を駆け抜けていく。けれど、それは木々の葉々が太陽の光を貪欲に求めるのと同じことだ。醜い争いのように見えて、天から見るとそれは美しいバランスの中にある。実る愛、実らぬ愛。果実として実を結ぶものばかりではない植物の世界と同じくそれもまた自然なことなのだ。
 5月、6月と僕の頭の中は相変わらず演劇のことでいっぱいだ。そこから歴史。そして、今。最後にこの町の未来へと続いていく。脚本を書く作業はかなり孤独だが、練習はいつも祭りだ。〔僕にとって〕。本番は果たしてどうなるのか。「みち」の世界だ。筋書き通りのはずなのになかなかそうは行かない。けれど、だからこそ、僕らはやるのだ。