杉野清隆

 完全に、金沢のミュージシャンの中で抜きん出てしまった杉野清隆。ハワイでの波打ち際将棋ビールお正月も近づいてきた。彼のかっこよさは、今さら言っても仕方がない。たとえばこの前のライブ中のMC、「あ〜はやく老人になりたい。」だれもがアンチエイジングに人生をかけている只中、そのつぶやきは時間をとめるに十分だ。詩のセンスに加え、作曲のセンスも抜群に光っている。まるで建築家のように音符と向き合う彼に、21世紀の音楽界のガウディとはちょっと褒めすぎだろうか。いや、確実にその道を歩んでいる。伝説もひとつふたつできてきた。いや、みっつ。いや、よっつ。いや、ご、ろくは・・・
 明日のライブもきっと新しい伝説が生まれることは言うまでもない。
 話は変わって、節分、旧暦正月といえば豆まき。激団トラベルボンバーズの「宵月」の話ではないが、実際、江戸時代最後に、天皇と将軍が開国に当たりこの国の未来の安泰を祈願した上賀茂神社に参拝してきた。本来ならば「神恩感謝」以外の言葉は神様には届かないそうだが、この国の現状を憂い、即お炊き上げしてくださる祈願木に「国家安泰」と書いて奉納した。そして、本殿で参拝したときなにやら天の声が。「そんなこと気にせんでいい。」そう、ぼくが国の未来を憂うことは、しなくてよいことだと。僕のしなければならないことをしなさい。そう受け止めた。と、同時になんだか自分が恥ずかしくなった。やはり、どんな状況にあっても感謝のこころを忘れてはいけない。ありがとうから、はじめよう。(佐野元春氏のうたにグッドバイからはじめようという名曲があったな〜)ふと思い出す。日差しの暖かい小春日和の深夜。