豪華絢爛バナナDEナイト

 すごい面子が揃った夜だった。今をときめく華のあるバンドばかり5組。
 古林和也プロデュース、バナナDEナイト、今夜で23回目。頭が下がる。連続企画ものは下手をすると、マンネリ化したり、テンションが下がったり、やることそのものの喜びを見失ってしまう。しかし、古林君はまったくそんな気配を見せない。
 まずdeep roots、ヴォーカルの気持ちよい歌いっぷりと声量に、ギターのリフがリズムよく絡む。コーラスもばっちりハモリ、聴くものをその気にさせる。心地よさが失われないのはリズム隊がフロントをしっかり支えているからだ。完成度の高さに再び感嘆。フロント二人とドラムの美しさがサウンドに花を添える。
 次にそでなし。大人の女ふたりがしっとりと、かなざわ、そして能登空港の歌を歌う。隠れた名曲に出会い、思わず心の中でうなってしまう。オリジナルを奏でつつ、曲間のMCがまたドラマティック!いつまでもこの世界に浸っていたくさせる。彼女等自身が音を楽しむその姿に、いつの間にやらこちらも笑顔に・・・
 そして、ハニービィー。すべてにおいてこれほどセンスのよいバンドはそういない。危うい匂い漂うコード進行とは裏腹に誰もをハッピーな気持ちにさせる明るい歌声。踊りたい衝動を掻き立てる予断を許さぬ展開。すなわち、いっきっぱなしの3分半。知性と感性の程よいバランスのMCは世界の舞台でも十分通用するだろう。いつの間にやら大好きなバンド。
 メロポチ衝撃のデビューから早一年、初々しきドレスから大人の衣装に着替えつつあるトレモロ。貫禄すら感じさせる堂々としたステージング。歌、リズム、ハーモニー、バックの助っ人たちとの呼吸もばっちり整い、天に授けられし日々を素直に歌う姿に音楽への純粋さを感じた。金沢にトレモロあり!である。
 最後に古林和也。先に述べたすごいミュージシャンの中、まったく違和感なく、逆に彼らを引っ張るソウルな歌いっぷりに鳥肌続々。だって今年は鳥年なんだも〜ん!ありがとうございました!