ひょんなことから

 出会いは風のようで、別れは雨のようで、すべてのこと あるままに 流れてゆくもの
 昨日は愛を歌い、明日涙を歌う・・・
中学校のころ好きだったオフコースの歌の歌詞の一節。時々思い出す。

 今日、昼下がりに生きているのが不思議だと医者に言われているというお客さんが見えた。体内の酸素がえらい欠乏しているらしく、見た目にはまったくわからないのだが、1級の身体障害者手帳を持っているとのこと。

 常識。その範疇外で生きている人は案外多い。むしろ彼らに僕は勇気をいつももらう。そのお客さんと、僕の偶然にも共通の知人がいることが会話の中で明らかになった。今は亡き彼からお客さんも、僕も大変影響を受けていたことを知る。ほんのわずかな時間だったけれど、会うべくして会ったのだと心の中でうなずく。
 人は風貌や、印象で見た人の大半を判断してしまう。自分自身の常識というバランスを保ちながら生きるために。けれど、生きる喜びはそのバランスの中だけでは得られない。粘土細工のように、こねては壊し、壊してはこねる中でドキリとする新鮮さが得られるのではないか。

明日は何を歌うかー?