唐突な質問

 先日、初めて来店してくださった女の子が唐突に「死」について質問された。直接、僕に対する質問ではなかったので文脈がつかめず、えらく唐突に感じた。質問を受けたお客様は、そのお客様なりの真剣な回答をされていた。
 アメーバだった僕らのご先祖様は、種としての進化のため、個(個体)としての死に逝く道を選んだ。けれど生きる僕らも目覚めと眠りという一日の中での生死、呼吸という運動(生)のマックス、ミニマムでの静止(死)の連続と、そんな中で生きている。そんなことを間を割って話したが、後になって思うことは、この地球や、宇宙すらも大きな生死の狭間を生きているのではないか、ということだった。そして、さらに後になって思うことは果たして宇宙は、僕らは、本当に生きているのか、ということだ。毎度陥るつぼはやっぱり、生きてるのか死んでいるのかわかんな〜〜〜い!
 生きているというこの感覚も実は、巨大な共同幻想なのではないか!?
単純なことほど難しく、なぞは永遠につきまとう。光と影。陰と陽。微笑みとため息。瞬間か永遠。男と女。連続と単独。そしてやっぱり、生と死。
 彼女の帰り際のにっこりとした笑顔が、まるで僕を禅問答の世界に陥れる。フランス映画のようなセリフをありがとう。また、どこかで。
マドモアゼル。