声の持ち主

 昔、FM石川で地下さんという女性の声を聞いたことがあった。何かの番組でゲストで出られていたような気がする。彼女の話す内容もとても興味深いものだったけれど、その話すペースや、なんとも穏やかな口ぶりに、すとんと僕のおなかに入った。そして、ひょんなことから今日、彼女にお会いすることができた。世界を舞台に活躍する「炎太鼓」のリーダー。そう、和太鼓奏者である。
 メンバーの3人とともに、1曲、約10分間の至福。ものすごい響きと迫力。全身が波のように、しかもリズミカルに動く様は、目にも心地よい。穢れをはらう祭りの主役。きっと、この音は、別の次元でも響いているのだろう。樹齢何百年の木と、牛の皮、そして今を生きる彼女らのスピリッツ。理屈ではない緊張感が与えるこの時間空間、そして・・・。

 求めずして得られた「至福」に、ただただ感謝する。そして、炎太鼓の生のステージを観たい!そう心に思う。