ブルーストレイン

 人生は、まるで祭りのようで、気づけば一人、何事もなかったようで。走っているようなこのグルーブ感は、クールに切なさを写すブルーストレインのような気がする。吐き出す煙とあふれるジョーク。列車が右に傾けば、左に慌てて向きを変え、ブレーキが踏み込まれれば、背伸びモードで直立の姿勢。この列車の行く先は誰も知らず。だから、この瞬間の振動にすべてを任せられる。スライドするギターがうねれば列車も加速し、ブルースハープが響き渡れば、夜空には星の輝き。それぞれの過去はそっとしまったままで。しびれるボーカルが時々静かに心のドアをたたく。

 目に見えない、いろいろな要素が僕にはブルーストレインに写る。夢のようなこの世は、まさに夢かもしれない。気づかぬうちに叶っているのかもしれない。慎重に見つめてみよう。これまで何万年も求め続けていたものを。
ブルーストレインの振動が冷静さを許さないのなら、明日の昼には大草原で昼寝しよう。ローラが散歩しているかもしれない大草原で。
 なんてね。