湯川トーベン

 湯川トーベンさんのライブから一夜明けたおととい。店の掃除を始めた僕の頭の中に、「バンドマ〜〜〜ン! 俺はバンドマ〜〜〜〜ン!・・・」という彼の歌が鳴り始めた。こんな日々を過ごしていると、そんなことはよくあることで、無意識のうちに印象に残った歌を、自分が口ずさみだしたりしている。前回のライブでは、たった一曲で我らが杉野清隆を宇宙の果てまで飛ばしてしまった印象があったけれど、今回は違っていた。35年間の芸能生活を支えてきた野太いリズム。そして、躍動的に盛り上がる旋律。けれど、今回は、なんとなく温かい人間性のようなものが滲み出していた。ライブの1時間、あるいは30分は確実にその人の人生のすべてが出る。それが僕のライブ観だ。あらためて、朝からトーベンさんのCDを聴いてみる。するとどうだろう!?なんと気持ちよい良質のロック。朝からもいける、いやむしろ朝から聴きたいロックではないか!!当然のことながら会話のすべては、社会的、政治的、そしてパンクだ。しかし、なんなのかこの清らかとまでもいいたくなるロックの旋律。湯川潮音を世に出し、それでもなお遠藤賢司とともに果てしないロックの夢を追い続ける青春の日々。
 なかなか理解不能なロッカー湯川トーベン氏がメロポチを去った今も彼のことを思う。温かな彼の人間性と、センス好い歌詞。ありがとうという気持ちとともに。また来てください、トーベンさん!!