金木犀の甘い香り

 メロメロポッチのカウンターに開きかけた金木犀が、今日の午後、届けられた。素敵なお客様からのプレゼント。心が和む。演劇の練習に集う仲間からも、金木犀の話題が飛び出す。植物でありながら、動物の僕たちをその素敵な香りで楽しませてくれる。果たして、動物の僕たちが如何にすれば植物を喜ばすことができるのか。
 金木犀は何も意識はしていない。はずだ。ありのままでよいのだろう。ありのままで。
 練習後、舞台美術の村住氏、演出の本庄氏と僕で、今回の演劇についていろいろと話をした。生々しい、あまりにも人間的でありながら、これが人間なのか!?と思わせるものを観たいと本庄氏。そんな人間の息使いに金木犀は感じるのかもしれない。果たして3人が共通に目指す、生き生きとした役者の息使いの審判は、3人の誰でもなく、カウンターの金木犀に任せるべきなのかもしれない。
 船頭多くして船、丘に乗り上げる。今日は丘の風景を十分に楽しんだから、明日は思いっきり沖にでてみよう。みんなでオールを持って。