立ち上がれなかった30分

 今週の火曜日から映画「Tibet Tibet」の上映会がメロメロポッチではじまった。この映画が今のチベット問題を理解するのにわかり易いとピースウォークの実行委員の番場さんから勧められ、一度試写会をしてなるほど!と思ったからだ。ライブのない夜、ライブが比較的早く終わる夜すべてにこの映画の上映を即座に決めた。そして昨夜、上映会終了後、さらに6月20日に上映が決定した「ヒマラヤを越える子供たち」の試写会を行った。「Tibet Tibet」の中でもふれられるインドへの亡命のためのヒマラヤ越えのドキュメンタリーだったが、さらに衝撃的だった。すべてのやる気が失せる虚無感に襲われた。国連、国連常任理事国、21世紀・・・すべてが嘘っぱちに思えた。こんな現実に出くわし、素通りできるほど僕は器用じゃない。言いたいことが言える自由、学びたいことを学べる自由、手を合わせたいものに手を合わすことができる自由・・・とにかく自分の有り余る幸せとチベットの人々の現状のギャップに愕然としてしまった。自分のこれまでの人生観がひっくり返ってしまうくらいに・・・
 日が変わり今日の昼時、「ヒマラヤを越える子供たち」の上映の際、講演をしてくれる田上さんという女性が店に立ち寄ってくれた。現在京都在住で、9年間チベット亡命政府のある、インドのダラムサラチベット仏教画の勉強に行っていた彼女との会話で、なんとか精神的に持ち直し進むべき方向性を見つけることができた。心の中で「神様っているもんやな〜」と思いながら。
 同じ蒙古判をつけた海の向こうの兄弟の幸いを願うとともに、自分の生き方に対する反省が促される夜。人生は日々驚きの連続である。

合掌。