すばらしき仲間のおかげ

 メロメロポッチで働く僕の密かな楽しみは、元スタッフとの再会、あるいはメールでのやり取りである。年月は想像以上に彼らをたくましく、生き生きと育ててくれる。もともと才能の蜜の香をぷんぷんさせていた者、あるいは、最高にダサいスタートを切った者、無味乾燥した雰囲気からドラマティックに急変した者・・・様々な物語の道をそれぞれに歩んでいる。しかし、安い安いバイト代で一生懸命その時を一緒に生きてくれた仲間は、永遠に僕にとって特別な存在だ。僕は心の中で彼らを「神」と呼んでいる。そして絶えず祈っている。彼らにとって常にふさわしき何かと出会って新鮮に生き続けることを。
 今日、新しいスタッフのHさんにメロメロポッチのコンセプトについて話しているとき、なぜか懐かしい面々のことが心に浮かんだ。話しながら、こんなことをまじめに考えている店は世界にほかにないだろうと思った。いや、あったとしてもきっとそれはインドのどこかのような気がした。まだ行ったこともない国のどこかに・・・
 毎日、美女と野獣が集う店、メロメロポッチ。天才が時刻表を失くし迷い込む店メロメロポッチ。時間と空間のボーダレス化を肌で感じるメロメロポッチ。100年かけた基礎固めは、まだまだ始まったばかりかもしれない。今夜の宴の余韻も覚めやらぬ深夜、ダライ・ラママントラの響きの中、永遠の記憶のページをめくりそっと微笑む。
 ありがとう。神々。そして今日という一日。