本物の語る自己責任

 今夜メロメロポッチに、カンボジアでクメール伝統織物の復興に命を燃やす森本喜久男さんがいらしてくださった。300人以上の雇用を生み出し、戦争で失われた自然生態系の復活をも視野に入れ、自然農に取り組む彼こそは英雄と呼ばれるべき人物ではないか!と強く思った。講演が終わり質問の時間がやってきた。あるお客さんのイラクで人質となった日本人のことをどう思うか?という問いに対し、自分もカンボジアユネスコに依頼され、織物の調査で奥地に入ったとき、ポルポト派の武装グループに囲まれ銃を背中に充てられた経験があるが、危険な状況の渦中に行くときはどんな出来事も厳しい言い方だが自己責任だと思う、と答えられた。そして、そのことを他人がよい悪いでとやかく言うべきではない、と静かに付け加えられた。数十年日本を離れ、自分はもはや半分日本人ではない、とおっしゃる森本さんに日本人の謙譲の美徳を見た。正月のカンボジアの風景に平和が戻ってきたことをしみじみ感じ、喜ぶ氏(師)の横顔に国境を越えた人間の美を感じた。
 日本人もまだまだ捨てたもんじゃない。俺もやるぞ、生き様はロック!