映画三昧

 眠っているような一日が過ぎ去った。昨夜、美大生と別れた後、駅前の某ホテルへ向かった。ジーコ内山監督の荷物をフロントに届けるためだ。だめだった。フルネームを言うことができなければだめらしい。(受け取ってくれなかった)
 翌朝、監督からの電話。荷物を届ける。そしてタイミングよく電話をもらったお客さんと駅前の喫茶店でお茶を飲む。その帰り、金石街道で信じられない落し物を拾う。この落し物こそ映画の中では最高のディテイルになるものだが、これは現実だ。そして、「華氏911」と、昨年のメロメロポッチの一大イベント。エキストラボランティア参加の「透光の樹」の試写会を観る。どちらもずしりとくる作品。映画のよさをしみじみ感じさせてくれた。
 華氏の方は、ボーリング フォーより笑えない。スクリーンにはそれほど映っていないはずのマイケルムーア監督の命がけの必死な表情が見えてくる。歴史に残る一作。けれど決して後味はよくなかった。
 透光の樹は、文化の香り、時間の流れ、人間味、日野晧正のトランペット、エキストラ・・・でもやっぱり、主人公秋吉久美子、永島敏行のふたりにつきる。