人生は「死」の準備

 そう言ってしまえばおしまいのような気がするが、実はそれがはじまりのような気がする。成長曲線を右肩上がりに進むときは、自分が死ぬなんて考えられない。しかし、じわりじわりとその時は近づいている。すべてを捨てなければならないのだ。最後には自分を生かしめているこの命さえも・・・
 今のバランスは今のバランスで、ある意味、バランスが取れている。バランスが崩れかけているとすれば、溜めすぎたのだ。あらゆるものを。
 そう思って行動を始めだすと、おかしいくらいに流れが変わる。今日は、その味をじっくりとかみ締める一日だった。隙間を空けると、そこから新しい息吹が入ってくる。
 川は流れが止まると澱んで死ぬように、ひとも、心やものの流れを止めてはいけないようだ。宇宙に帰るそのときまで。流れ、転がり続ける不思議な存在、憎んでも、嘆いても、自分は自分でしかない。捨て続ける、それが楽に生き続けるポイントかーー。

考えすぎか。