長谷川健一

 幽霊のように歌う長谷健。まるで聞き取れない長谷健。なぜか何度も聞いてしまう長谷健。一言でしびれてしまう長谷健。そしてドンキーおじさん。ここ何ヶ月で強烈にヘビーローテーションでかけまくるシンガー。

  あらそいのない ひだまりはない

このワンフレーズが強烈に僕に迫った。戦争はいけない。当たり前の正義の定義だ。けれど人間はずっと殺し続け、争い続けてきたように思う。長谷健のひとことは、僕を立ち止まらせるに十分だった。けれど、こんな歌を待っていた。こんな刺激を求めていた。こんな丘に憧れていた。こんな気持ちになるなんて。

  こころをみたすのは ことばにならぬもの

さめた歌いっぷりで歌われた日にはもうどうしようもない。詩人。やっとほんものの詩人に出会った気がする。けれど、それはスカッと晴れ渡る空のようではなく、宇宙の混沌の扉を開くようで、もう僕は一人ではいられないのかー!常に心に長谷健。