親孝行

 親孝行について考えた。一日でも親より長く生きること。自分の最後の瞬間にこの人生、生きてよかった。与えてくれてありがとう!の気持ちで逝くこと。この二つが大きな柱になるように思うのだが、今の僕には分からない。たぶん、老子の考えのように、親孝行という言葉が出てきた時点で、もう親孝行はないのかもしれない。そして、親孝行について考える僕自身が最も親不孝のような気がしてきた。今年のお盆は、冷たい雨が激しく降ったが、物思いにふけるには、なかなかよい感じだった。親孝行なんて考えるときは立ち止まっているのだろう。時間の流れがいつもと違う2005年、盆。海の怖さを知る。生命のはかなさに涙する。生きる歓びを、どう表現しようかと思案する。偶然の産物か、新しくも古いヘアースタイルで。