あたまとこころ

 夕暮れ時に訪れた某お客様との会話は、話題の中心が宇宙人から「こころ」へとシフトしていった。そして、しばしの沈黙の後、あたまとこころは同時に使ってはいけない。というお言葉がそのお客様から。
 そのお客様は、数年前ある友人とひとつの「もの」を製作していた。けれど、頭と心を同時に使って製作せざるを得ないある状況に陥り、それから、その友人とは大きな溝ができたという。何年かたった、今振り返った結論は「あたま」と「こころ」を同時に使うと、処々の局面に無理が生じ、よろしくない結末を引き起こすということだった。
 
 ひとつのもののみならず、この日常も、多くの人々やあらゆる要素の相互作用で構成されている。すると、どうだろう?「あたま」と「こころ」を同時に使ってはならないというその言葉は、大変重要な意味合いを帯びてくる。そう、僕らは皆、果たして「あたま」を使うべきなのか、それとも・・・明日を生きる鍵はどこにあるのか。