旅をしているような日

 今日は、旅をしているような一日だった。宇宙にふわりと漂うような夢に始まり、朝一からdeepにハセケン談義。メロメロポッチが近江町にあることを考慮して就職先を決めてくださった今どきレアーな女子大生。京都からの旅人。湘南へと帰り行く旅人。まるで物語のようなパーティーをプランする麗しの乙女たち。そして、岡本太郎賞を受賞した東の女性横綱からの電話。心にしみるパンの差し入れ。久々に訪れてくださった懐かしのOL。黄泉に行かれてもなお僕に笑顔と励ましのエールを送ってくださる美女の通夜。ルネッサンス期におけるマイナーコードの表現の認識。すべてを汗とともに流し去る郷愁と情熱を讃えたサルサのダンスタイム。

 皆様が去った後、ひとり、聴いたことのないCDとベースの利いたJAZZのアナログをかけながら一日を振り返る。
 心をどこかに置き忘れてしまった若者。空なる宝箱を抱いて風のように漂う人。遥かなる道をめざし、わずらわしきすべてに愛と誠意を持って対する尊敬すべき人。時間の秘密を知るためにこっそりとノートを開く人。
 
 出会っても、出会わなくても、愛しても、愛さなくとも、知っていても、知らなくとも、僕たちはつながっている。僕の一息で世界は回り、あなたの一息で、日がまた昇る。彼の一息で、鳥がさえずり、彼女の一息で僕たちは涙を流す。夕焼けが輝けば、時は止まり、星が輝けば、空は夢を見る。つまらないと嘆いていた彼の思いもやがては雪となり、彼女の情熱もやがては虹になる。知らない間に僕らはひとつになり、ここがどこかも忘れてしまう。

いつか、僕たちが生まれてきたあの日のように。

おやすみなさい。みなさま。

ありがとう。今日一日。