LOVE LETTER

 定休日だったけれど、今日は昼ごろより、打ち合わせで店を開き、夜は、昨年の「ライフ イズ ミラクル輪読会」にひき続く「リーディングス プロスパイアティー」の会が催された。その合間を縫って、某お客様とラブレターの話をした。僕の母が大切にしている、父からもらったというラブレターを見せてもらった時の話。まったく色気がなく、淡々と彼の日常を綴ったものだった。「どこが?(ラブレター)」と僕が問いただすと、これこそが、母にとってラブレターであり、この一通でドキドキして、今日があると言っていた話をした。お客様も、ラブレターか、そうなのか分からない微妙な綴りに、ドキドキしてしまったことがあると仰る。
 
 なるほど、僕も自分自身の人生を振り返り、果たして最も意味のあったラブレターは?と考えてみると、それは、手紙でもなく、まして俳句でもなく、さらさらっと走り書きされた一枚のメモのような書き物だったことを思い出す。けれど、その一枚には気持ちが凝縮されていた。いや、凝縮というよりは、溢れだしていた。(と思っている)

 人生を変えるのは、たった一行で十分で、大いなる雲も目に見えぬ風に最果てまで流され行く。

 「愛の文字」LOVE LETTERはどこに隠されているやも知れない。見つけた者は風に乗り、気づかぬものは路地を彷徨う。

 人は「愛の文字」を探しに今日も旅しているのかもしれない。
眠ることも忘れ、踊ることも忘れて。