ダンス!

 昔日のある哲学者は、我々自身を「肉体の奴隷」とあらわした。肉体から発する欲望、あるいは痛み、あるいは快楽、あるいは感覚。すべて我々は肉体に従属し、生き続ける限りそこから逃れることはできない、と。
 果たして、肉体からの解放はおこりうるのか?私たちは肉体の隷属者なのか?階段の果てを信じて息をする者。無を目指し、禅を組むもの。宇宙の気を感じ踊り続けるもの。肉体の限界を超えようとハードにスポーツに励む者。

 瞬間に秘められた永遠。コミュニケーションが溶解する時間。マインドのベクトルでいかようにも変化する形質としての肉体。現実に対し、強く作用する形無きイマジネーションの世界。

 本当は、あまりにも不確かなものに囲まれて生きている僕たち。なのに、満たされ眠りに落ちる。

 そう、神と呼ぶにふさわしき穏やかなるこの「情緒」。語らずとも信じている。一刻も休むことなくバランスをとる。すべてのバランスを。あらゆるバランスを。

 泣いても笑っても、嘆いても、悔やんでも構わない。擦り切れてぼろぼろになっても「情緒」は穏やかに、たおやかに僕たちのそばでそっと息を吹きかける。その息を感じたら、半歩だけでも、ダンス!!

 答えはいつも繰り返すはずだから。

まっすぐに。