藤森利晋

 実に、実に晴れやかな夜だった。久しぶりに最悪だった僕の体調は彼のギターの小気味よいカッティングとともに最高へと変わっていった。意味不明ライブと称したこの夜は、気づけば「ロックンロールナイト」へと変わっていた。ギター一本でこの音の厚み、そして、これほど激しくかき鳴らすも、ほとばしる温かさ。さりげなく、しかもしっかりと心を捉える言葉。こんなそばに、こんな近くに、最高の玉がいたとは!!!!
 これまでも、いい感じ、いい感じ。と思っていたが、この夜は一気に僕の彼を見る目を変えた。メロメロポッチ「ロックンロール大賞2007」は藤森利晋に決定した。
 その夜、彼の音源がないことに衝動的な絶望を感じる。ジェロニモレーベル、リトルキヨシを大音量で鳴らす。今日、店に顔を出した彼に録音しようと言っても「ははは・・・」といって首を縦に振らない謙虚さと恥じらい。
ますます衝撃的絶望は増すばかり。次回いつ彼にライブをしてもらえるかが、唯一この絶望からの抜け道であることは言うまでもない。
 
藤森利晋。あなたのロックにカンパイです。