忘れ去られるもの・・・とき。

 同じときを過ごしていても、果たして味わい方はぜんぜん違う。
記憶に残るか否かも、まったく違う。つまり、僕たちはいつなんどき誰かと素敵なときを過ごしても、「あれっ、そんなことあったのかしら?」というシチュエーションに陥ることもある。しかし、ささいなときでも、何十年もしてから互いにしっかりと覚えていることもある。先日、高校の同窓会の際、それぞれに覚えていることの違いに感慨深いものを感じた。
 長い年月を経てもそれぞれの心の中に、そのときがあれば、それこそ、そのときは時空を超えたな、と思われる。
 つまりは「永遠」の範疇に入るわけだ。
しかしそれでは、「永遠」の範疇からこぼれるあの出来事はどこへ・・・

無に帰するのか・・・