人は死に、カバも死ぬ。欲望の銀河で書いたクロの台詞「つまり、この世は死によって埋め尽くされている。」は、今日にはじまったことではなく、生命誕生の昨日からずっと続いてきたことで、さらに明日も続いていく。しかし、親しい友人や、愛すべきカバの死は確かに痛い。この痛みを感じることで、ぼくは彼とつながっていたことを再認識し、カバが大好きだったことを思い出す。年をとるということは、この苦い味も味わっていくということだ。先日、写真の整理をしたが、何人かの人が亡くなっていた。しかし、其処に写るすべの人はやはり亡くなる。それは、順番の問題ではなく、其処に同時に写っていた、いや、生きていた奇蹟。
 死なくして軌跡なし。
また、どこかで。