止まらない余震の中で。

 安全神話は崩壊した。ほぼすべてのマスコミとほぼすべての政治家を抱き込みながら安全神話をがっちりガードするに足る電気料金を徴収しても。それが現実で、それが僕らの技術なのだ。収束のめども立たず、現場で働く多くの人々が被爆し続ける状況。北半球を中心とした世界中の人々も被爆し続けるが、現場の作業に関わる人々が最も被爆している状況。脱原発は、誰よりも電力会社、下請け関連会社の現場作業に関わる人々の健康にもっとも大切なことなのだ。そして、原発から半径〇〇Kmが人の住めない地区になる。昨日まで住んでいた自分の町に、家に、もう住めないのだ。そんなことが、起こった。この国で。同じ税金を納める、同じ言葉を話す人の住む町で。
 一度起こることは、必ず二度起こる。それは歴史の必然だ。この国を愛する。この町を愛する。安全安心を守る、そんなことを思う人、言う人は、考えなくてはいけない。福井も戦後、たいへん大きな地震が起こった土地だ。能登も先日、すごい地震を経験した。150億円かけて安全対策をすると朝刊に記事が出ていたが、「想定外」が消えるわけではない。止めるに限る。大切なのは止めて、どう生きるかの知恵を出し合うことだ。広島、長崎、福島を経験した私たちに出来ることは、すべての原発を止めて、世界の人々に謝罪し、本当に安全安心な国家の建設に努めること。40年間は瞬間だ。次の「想定外」までも瞬間だ。誰もが時間の危険性に気づくに十分の時が今だ。今を逃して、この国に未来はない。